つわりがない人の共通点は?体質・ホルモン・遺伝と胎児への影響を2026年最新情報で徹底解説
妊娠が分かったのに、吐き気も嘔吐もなく、食欲も普段と変わらない。周囲の妊婦にはつわりがあるのに、自分には何も起こらないと、「赤ちゃんは順調に育っているのだろうか」「つわりがないと流産しやすいのでは」と不安になる人もいるでしょう。
実際には、つわりがほとんどないまま妊娠期間を過ごす人もいます。2026年10月現在、国内の大規模出生コホート研究や遺伝子研究、厚生労働省、日本医師会、日本産科婦人科学会などの医療情報から分かるのは、つわりの有無には大きな個人差があり、症状の強さだけで胎児の健康状態を判断することはできないということです。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 共通点:つわりがない人に共通する特定の体質や性格、生活習慣は医学的に確立されていない。
- 主な理由:hCGやGDF15などのホルモン、遺伝的背景、母体のホルモンへの感受性などが複雑に関係している。
- 胎児への影響:つわりがないこと自体が胎児の発育不良や流産を意味するわけではない。
【結論】つわりがない人に共通点はある?実は約6人に1人が症状を経験していない
つわりがない人に、医学的に共通する特徴が見つかっているわけではありません。ただし、つわりを感じる程度には個人差があり、吐き気や嘔吐がほとんどない妊婦も一定数存在します。
その実態を示す代表的な資料が、環境省の「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を用いた研究です。
日本人約9万1,000人を対象にした大規模研究
2018年に公表された研究では、妊婦91,666人を対象に、妊娠12週未満の吐き気・嘔吐の経験について分析しました。
その結果、75,828人、全体の82.7%が何らかのつわり症状を経験し、10,159人、11.1%が重いつわりを経験していました。
反対に、約17.3%は調査対象期間につわり症状を報告していません。単純計算すれば、およそ6人に1人に相当します。
これは、つわりがないことが極めて珍しい現象ではないことを示す重要なデータです。ただし、妊娠12週未満の症状を調べた研究であり、妊娠期間全体を通じて完全に無症状だった人の割合と同じではありません。
また、日本医師会の「妊娠期の課題」でも、つわりは妊婦の約50〜80%にみられる症状として紹介されています。調査方法や症状の定義によって割合が異なるため、単一の数字だけで個人の状態を判断することはできません。
つわりがない人に見られる可能性がある特徴
医学的に確立された共通体質はありませんが、研究からは、症状の感じ方やホルモンへの反応に個人差があることが分かっています。
- ホルモンへの感受性が異なる:同じようにホルモンが変化しても、身体の反応には違いがある。
- 遺伝的背景が異なる:吐き気や嘔吐の起こりやすさには、遺伝子の影響が関係する可能性がある。
- 妊娠ごとに反応が変わる:同じ人でも、第一子と第二子でつわりの程度が違う場合がある。
- 症状の自覚に差がある:軽い胃の不快感や食欲の変化を、つわりとして認識しない人もいる。
一方、「胃腸が強い人」「健康的な生活を送っている人」「運動習慣がある人」「ストレスに強い人」だから、つわりがないと断定できる医学的根拠はありません。
つまり、つわりがないことは、特別に健康な体質の証明でも、妊娠に異常があるサインでもないのです。

【原因を科学的に検証】つわりがない理由はhCG・GDF15・遺伝との関係にある
つわりの原因は一つではありません。妊娠によって変化するホルモンや、母体の身体がそれらにどう反応するかなど、複数の要因が関係しています。
hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)とつわりの関係
妊娠すると、胎盤のもとになる組織からhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されます。
hCGは妊娠検査薬が検出するホルモンでもあり、妊娠初期に急激に増加します。つわりが始まる時期や強くなる時期とhCGの変化が重なることから、吐き気や嘔吐との関係が以前から研究されてきました。
厚生労働省の「働く女性のつわりについて」でも、hCGの変動とつわりの発生時期との関連が解説されています。双胎妊娠など、hCGが高くなる状況で症状が強くなる傾向も知られています。
ただし、hCGの数値だけでつわりの有無や重さを決めることはできません。hCGが高ければ必ず吐く、低ければつわりがないという単純な関係ではないのです。
2026年も注目されるGDF15というホルモン
つわりの仕組みを理解するうえで、近年とくに注目されているのがGDF15というタンパク質です。
2024年1月にNature誌に掲載された研究では、妊娠中に胎児・胎盤由来のGDF15が母体の血液中に増加し、母体がこの物質にどれほど敏感に反応するかが、吐き気や嘔吐の程度に関係することが示されました。
この研究で重要なのは、妊娠中のGDF15の量だけでなく、妊娠前からの母体のGDF15への曝露や感受性も影響するという点です。
つまり、胎児・胎盤側から送られるホルモンの信号と、母体側の受け取り方の組み合わせによって、症状の強さが変わる可能性があります。
この知見は、同じ妊娠週数でも、ある人は強い吐き気を感じ、別の人はほとんど何も感じないという違いを理解する手がかりになります。
つわりと遺伝の関係は?母親から受け継ぐ体質なのか
つわりの起こりやすさには遺伝的な背景も関係すると考えられています。
2024年3月20日、東北大学東北メディカル・メガバンク機構は、三世代コホート調査に基づく日本人のつわりの遺伝的背景についての研究成果を公表しました。
対象となったのは23,040人の妊婦です。ゲノムワイド関連解析によって、11q22.1と19p13.11という2つの遺伝子座に、つわりとの関連が認められました。
これは、日本人を含む東アジア系集団における遺伝的背景を調べた重要な成果です。ただし、特定の遺伝子だけでつわりの有無が決まると証明されたわけではありません。
さらに、2026年4月14日にNature Geneticsで発表された多民族ゲノムワイド関連研究では、妊娠悪阻の症例10,974人と対照461,461人を分析し、GDF15、GFRAL、IGFBP7、PGRなどを含む10の関連領域が報告されました。
この研究は重症の妊娠悪阻に焦点を当てたもので、つわりがない人を直接分類する研究ではありません。しかし、遺伝的背景や胎児側・母体側の要因が複雑に関係することを示す、2026年の重要な研究成果です。
つわりに関係する主な要因と相互関係
| 関連する要因 | 身体への関係 | 分かっていること |
|---|---|---|
| hCG | 妊娠初期に増加するホルモン | つわりの発生時期や症状との関連が指摘されている |
| GDF15 | 胎児・胎盤由来のシグナルとして母体に作用する | 吐き気や妊娠悪阻の重症度との関連が研究されている |
| 遺伝的背景 | ホルモンへの感受性などに関係する可能性 | 日本人を含む集団でも関連する遺伝子座が報告されている |
| 母体の感受性 | ホルモンなどに対する身体の反応の違い | 同じ妊娠でも症状の程度が異なる理由の一つと考えられる |
| 環境・精神的要因 | においや緊張、作業環境などが症状に影響する | 厚生労働省も症状を悪化させる要因として紹介している |
こうした研究を総合すると、つわりがない人の体質を一つの特徴で説明することはできません。ホルモンの量、母体の感受性、遺伝的背景などが組み合わさって、症状の違いが生じると考えられています。
【妊娠週数別】つわりはいつからいつまで?妊娠初期に症状がない理由
妊娠初期に何も症状がないと、妊娠が順調に進んでいないのではないかと不安になることがあります。しかし、つわりが始まる時期やピークには幅があり、妊娠週数だけで症状を予測することはできません。
妊娠週数ごとの一般的な変化
厚生労働省の情報では、つわりは一般に妊娠5〜6週頃から始まり、12週頃には落ち着いていく人が多いとされています。
妊娠週数ごとの一般的な目安は次のとおりです。
- 妊娠4〜5週:まだ吐き気などを自覚しない人も多い。妊娠に伴う変化が始まる時期。
- 妊娠5〜7週:吐き気、食欲不振、においへの敏感さなどが出始めることがある。
- 妊娠8〜12週:つわりの症状が強くなる人が多い時期。
- 妊娠12〜16週:徐々に症状が改善していく人が多い。
- 妊娠16〜20週:多くの人で症状が落ち着く。ただし、それ以降まで続く場合もある。
米国産科婦人科学会(ACOG)も、つわりは妊娠9週までに始まることが多く、大半の人は14週頃までに改善すると説明しています。一方、英国NHSは16〜20週頃まで続く場合があるとしています。
これらはあくまで一般的な経過です。妊娠初期から最後までほとんど症状がない人もいれば、妊娠中期以降まで吐き気が続く人もいます。
妊娠初期に症状がないのはなぜ?
妊娠初期は、胎盤の形成やホルモン分泌など、母体の内部でさまざまな変化が起こる時期です。
しかし、これらの変化が必ず吐き気として現れるわけではありません。ホルモンへの反応には個人差があり、症状を自覚しないまま妊娠初期を過ごすこともあります。
また、妊娠4〜5週頃は、一般的につわりが始まるとされる時期より早い場合があります。妊娠が分かった時点で症状がないからといって、異常を意味するわけではありません。
つわりが急になくなった場合はどう考える?
それまで感じていた吐き気が突然なくなると、不安になる人もいるでしょう。
しかし、つわりは日によって強さが変わることがあり、食事や睡眠、体調、妊娠週数によっても感じ方が異なります。症状が軽くなったことだけで流産を判断することはできません。
一方、性器出血や強い腹痛などが伴う場合は、つわりの変化とは別に産婦人科へ連絡してください。

【胎児への影響】つわりがないと流産しやすい?医学的な研究から検証
つわりがない妊婦が最も心配するのは、胎児の発育や流産との関係ではないでしょうか。
先に押さえておきたいのは、つわりがないこと自体は、流産や胎児の異常を意味しないということです。
つわりがないと赤ちゃんの発育に影響する?
通常、つわりの有無だけで胎児の発育状態が決まるわけではありません。
千葉県医師会の妊娠初期の体調不良に関する解説でも、つわりの程度は人によって異なり、症状がほとんどない妊婦もいること、通常はつわりの有無が胎児の発育に影響するものではないことが説明されています。
また、米国産科婦人科学会も、妊娠中の吐き気や嘔吐は通常、胎児に害を与えるものではなく、つわりがあること自体が胎児の病気を意味するわけでもないとしています。
胎児の発育を確認する際には、妊婦健診での超音波検査などが重要です。母体の吐き気の強さは、胎児の成長を確認するための検査の代わりにはなりません。
つわりがない人は流産しやすいのか
この疑問については、医学研究で吐き気や嘔吐の有無と妊娠喪失のリスクに関連が報告されています。
2016年にJAMA Internal Medicineで公表された研究では、妊娠初期の女性797人を対象に、吐き気や嘔吐と妊娠喪失の関連が分析されました。
その結果、吐き気がある人や吐き気と嘔吐の両方がある人では、臨床的に確認された妊娠喪失のリスクが低い傾向が認められました。
ただし、これは集団を対象とした統計的な関連です。つわりがない人が必ず流産するという意味ではなく、個人の妊娠経過を予測できるものでもありません。
さらに、日本産婦人科医会が解説する稽留流産では、出血や腹痛などの自覚症状がないまま、超音波検査によって胎児の発育停止が確認されるケースがあります。
つまり、症状があるから妊娠が必ず順調、症状がないから妊娠が順調ではない、という単純な判断はどちらもできません。
胎児の健康状態を確認するために見るべきこと
つわりの有無よりも、定期的な妊婦健診で確認される情報を大切にしましょう。
- 超音波検査による胎児の発育状況
- 妊娠週数に応じた心拍の確認
- 子宮内で妊娠が正常に進行しているか
- 出血や腹痛などの異常症状の有無
- 医師から指示された血液検査やその他の検査結果
つわりがないことを理由に必要以上に心配する必要はありませんが、症状がないから妊婦健診を省略してよいわけでもありません。
【初産婦と経産婦の違い】一人目と二人目でつわりの重さは変わる?
初めての妊娠と二人目以降の妊娠では、つわりの感じ方が違うことがあります。
初産婦は妊娠による身体の変化を初めて経験するため、吐き気や眠気などを強く意識する場合があります。一方、経産婦でも症状が軽いとは限らず、一人目より二人目のほうがつらくなるケースもあります。
一人目につわりがなかった人は二人目もない?
そのような決まりはありません。
仙台赤十字病院の2025年4月の解説でも、最初の妊娠でつわりがなかった人が次の妊娠でつわりを経験することや、その反対のケースがあると説明されています。
妊娠ごとに胎児・胎盤の状態やホルモン環境が異なるため、同じ人でも症状が変わることがあります。
初産婦・経産婦で注意したいポイント
- 初産婦:妊娠初期の身体の変化を経験したことがなく、軽い症状でも不安を感じやすい。
- 経産婦:前回の妊娠と比較しやすいが、前回と同じ症状になるとは限らない。
- 過去に妊娠悪阻を経験した人:次の妊娠でも重症化する可能性が高まるため、早めに担当医へ伝えることが望ましい。
特に過去に妊娠悪阻を経験した人は、次の妊娠でも注意が必要です。2022年に公表された研究では、前回の妊娠で妊娠悪阻があった人は、次の妊娠でも再発するリスクが高いことが報告されています。
ただし、前回の妊娠でつわりがなかった人が、次回も無症状になるという保証はありません。初産婦か経産婦かという分類だけで症状を予測することは難しいのです。

【受診の目安】つわりがない場合と妊娠悪阻の違い・注意すべき症状
つわりがない場合、吐き気や嘔吐がないこと自体で治療が必要になるわけではありません。しかし、妊娠中にはつわりとは別の理由で医療機関への相談が必要になることがあります。
つわりと妊娠悪阻は何が違う?
一般的なつわりは、妊娠初期に生じる吐き気、食欲不振、嘔吐、胃の不快感などを指します。
一方、妊娠悪阻は、吐き気や嘔吐が重症化し、十分な食事や水分を摂取できなくなり、脱水や栄養障害などが生じる状態です。
厚生労働省の用語辞典では、妊娠悪阻について、体重減少や脱水症状、頭痛、めまい、意識障害、肝機能障害などが現れる場合があると説明しています。
つわりがあることと妊娠悪阻は同じではなく、症状の重さや全身状態によって対応が変わります。
次の症状がある場合は産婦人科へ相談
- 水分をほとんど飲めない、飲んでも吐いてしまう。
- 尿の量が極端に減った、尿の色が非常に濃い。
- 急激に体重が減少している。
- 立ち上がると強いめまいやふらつきがある。
- 嘔吐を何度も繰り返し、日常生活が難しくなっている。
- 吐いたものに血液や胆汁が混じる。
特に水分が摂れない、尿がほとんど出ない、意識がぼんやりするなどの症状は、脱水や重症化の可能性があるため、早急に医療機関へ相談してください。
つわりの有無に関係なく注意したい症状
妊娠初期に性器出血や強い下腹部痛がある場合は、流産や異所性妊娠などの可能性も考慮する必要があります。
特に、強い腹痛、片側に偏った腹痛、出血、冷や汗、失神などがある場合は、つわりの有無にかかわらず速やかに医療機関へ連絡してください。症状が強い場合は救急受診が必要です。
一方、つわりがないだけで、出血や腹痛などの異常がなく、健診でも問題が指摘されていない場合は、通常の妊婦健診を継続しながら経過を確認しましょう。
2026年時点で知っておきたい公的な情報源
妊娠中の体調について判断に迷ったときは、個人の体験談だけでなく、公的機関や産婦人科の専門団体が公開する情報を参考にすることが大切です。
- 厚生労働省:「働く女性の心とからだの応援サイト」で、つわりの症状、発生時期、妊娠悪阻、仕事上の配慮などを紹介している。
- 日本医師会:「妊娠期の課題」で、つわりの頻度や妊娠中の体調管理、職場で受けられる支援について解説している。2026年4月1日に更新されている。
- 日本産科婦人科学会:「産婦人科診療ガイドライン―産科編2023」で、妊娠悪阻の治療や妊娠初期の異常への対応を示している。
- 日本産婦人科医会:妊娠初期の異常や稽留流産の診断など、産婦人科診療に関する情報を公開している。
- 東北大学東北メディカル・メガバンク機構:日本人のつわりの遺伝的背景について、2024年に研究成果を公表している。
2026年時点では、つわりの原因解明に向けた遺伝子研究が進展していますが、つわりの有無だけで妊娠の正常・異常を判定できる検査方法が確立されたわけではありません。
【よくある質問】つわりがない人の共通点に関するFAQ
Q1:つわりがない人は体質的に健康なのでしょうか?
A1:つわりがないことと、身体が健康であることは直接結び付きません。ホルモンへの感受性や遺伝的背景など、複数の要因によって症状の程度が変わると考えられています。
Q2:つわりがないと流産の可能性が高いですか?
A2:つわりがないだけで流産の可能性が高いと判断することはできません。吐き気の有無だけでは妊娠経過を確認できないため、妊婦健診や超音波検査で確認することが大切です。
Q3:つわりがないと赤ちゃんに影響がありますか?
A3:つわりがないこと自体が胎児の発育に悪影響を与えるという医学的根拠はありません。胎児の健康状態は、定期的な妊婦健診で確認しましょう。
Q4:妊娠初期なのにつわりがまったくないのは普通ですか?
A4:珍しいことではありません。国内のエコチル調査では、妊娠12週未満につわり症状を報告しなかった人も一定数いました。つわりがないまま妊娠初期を過ごす人もいます。
Q5:つわりがない人は男の子を妊娠している可能性が高いですか?
A5:胎児の性別とつわりの程度には、集団レベルで関連が報告された研究があります。エコチル調査でも、女児妊娠や多胎妊娠で症状が強い傾向が確認されました。ただし、つわりの有無から胎児の性別を個人単位で予測することはできません。
Q6:一人目につわりがなかったら二人目もありませんか?
A6:必ずしもそうではありません。同じ人でも妊娠ごとにホルモン環境や胎盤の状態などが異なるため、一人目と二人目で症状が変わることがあります。
Q7:つわりが途中で突然なくなったら病院へ行くべきですか?
A7:つわりは日によって変化するため、症状が軽くなっただけで異常とは限りません。ただし、出血や強い腹痛、めまいなどが伴う場合は、速やかに産婦人科へ相談してください。不安が続く場合も、次の健診を待たずに担当医へ相談して構いません。
まとめ:つわりがないことより妊婦健診での経過確認が大切
つわりがない人に共通する特定の体質や性格、生活習慣は、2026年現在も医学的に確立されていません。
国内の大規模調査では、妊娠初期につわりを経験しなかった人も一定数いることが確認されています。さらに、hCGやGDF15、遺伝的背景、母体のホルモンへの感受性など、症状の違いを生み出す仕組みについても研究が進んでいます。
一方、つわりがないことだけで流産や胎児の発育不良を判断することはできません。吐き気がある人のほうが妊娠喪失のリスクが低い傾向を示した研究はありますが、それを個人の妊娠経過に当てはめることはできないのです。
大切なのは、つわりの強さを周囲と比較することではなく、自分の身体の状態を把握し、妊婦健診を継続することです。出血や腹痛などの異常があれば早めに受診し、心配なことがあれば遠慮せず産婦人科の医師や助産師に相談しましょう。
つわりがないことは、それだけで心配する理由にはなりません。症状の有無ではなく、医学的な検査と妊娠経過を基準に、落ち着いて赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。
主要な根拠資料
- 厚生労働省「つわり」「妊娠悪阻」「働く女性のつわりについて」
- 日本医師会「妊娠期の課題」(2026年4月1日更新)
- 環境省・エコチル調査、妊娠初期のつわりと胎児の性別・胎児数に関する研究
- 東北大学東北メディカル・メガバンク機構、2024年3月20日発表の日本人のつわりの遺伝的背景に関する研究
- Nature、2024年1月掲載のGDF15と妊娠中の吐き気・嘔吐に関する研究
- Nature Genetics、2026年4月14日掲載の多民族ゲノムワイド関連研究
- 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン―産科編2023」 (出典: つわり が ない 人 の 共通 点(Yahoo!ニュース))