国家資格を持つプロスポーツ「オートレース選手」の年収と階級や養成所・結婚のリアル
日本国内における公営競技の中でも、圧倒的なスピードとエンジンの爆音で観客を魅了し続けるプロスポーツの世界があります。それが経済産業省が管轄する小型自動車競走法に基づいた、いわゆる「オートレーサー」のステージです。一般的なアスリートとは異なり、彼らはマシン(競走車)の整備からセッティング、そして命がけのライディングまでをすべて自らの手と技術で行う、極めて特殊かつ高度な国家資格所持者として知られています。
本記事では、2026年現在の最新データや公式発表に基づき、オートレース選手が手にする年収の実態、厳格な階級制度(S級・A級など)の仕組み、知られざる全寮制養成所の過酷な訓練、そして近年大きな注目を集めている女性レーサーの活躍や選手同士の結婚事情まで、そのリアルな素顔を徹底的に紐解いていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:オートレース選手は経済産業省管轄の国家資格保持者であり、正式な呼称は「小型自動車競走選手」である。
- 要点2:全登録者数は400名余りと少数精鋭であり、トップランカーであるS級選手は高額な賞金を稼ぎ出す実力主義の世界。
- 要点3:茨城県下妻市の全寮制養成所での9ヶ月間の過酷な訓練を経てデビューし、近年では女性レーサーの躍進や結婚・出産などのライフステージの変化も注目されている。
オートレース選手とは?国家資格を持つプロスポーツの全体像
公営競技の舞台で活躍するオートレース選手は、単なるスポーツ選手ではなく、国の法律に基づく厳格な国家資格を保有するプロフェッショナルです。正式名称である「小型自動車競走選手」として、全国に点在する専用のオートレース場で日夜激しいレースを繰り広げられています。
選手たちは単にバイクのハンドルを握るだけでなく、エンジンを構成する無数の部品を自ら分解・整備し、その日の気候や走路コンディションに合わせてマシンの性能を極限まで引き出します。この「メカニックとしての高度な技術」と「時速150キロを超える猛スピードをコントロールする肉体・精神力」の両方が求められる点が、他の公営競技やモータースポーツにはないオートレース選手最大の特異性であり、プロとしての醍醐味です。

オートレース選手の階級制度(S級・A級など)と年収・賞金の仕組み
オートレース界には、選手の技量や獲得賞金実績等に応じて厳格なランク分けがなされる階級制度が存在します。選手たちは半年ごとに発表されるランクによって、出走できるレースの格や待遇が大きく変動する実力主義の世界に身を置いています。
最上位に君臨するのが、全選手の上位数%しか到達できないS級です。S級選手はトップオブトップの証であり、記念レースや特別GI・SGといった大舞台でしのぎを削ります。その下にA級、B級と続いていき、レースの勝率や競走成績に応じて昇級・降級が繰り返されます。
| 階級(ランク) | 対象・特徴 | 主な出場レース・環境 |
|---|---|---|
| S級 | 全選手の上位数%(トップエリート) | SG・GIなどの特別競走、一般戦の最上位戦 |
| A級 | 実力・安定感を備えた中堅〜上位層 | 各レース場のメイン開催、優勝争いの中心 |
| B級 | 若手や成績再起を目指す選手層 | 一般戦の予選中心、技術研鑽のステージ |
気になる年収や賞金水準についても、階級や成績によって大きな開きがあります。下位ランクの選手であっても一般的な会社員の平均水準以上の収入を得るケースが多い一方、トップクラスのS級選手やSGタイトル常連のレーサーになると、数千万円から1億円を超える年間獲得賞金を稼ぎ出すケースもあり、まさに夢のあるプロスポーツとしての一面を持っています。
過酷な関門!オートレース選手養成所の実態と試験の難易度
プロのオートレーサーになるための唯一の入り口が、茨城県下妻市の筑波サーキット内に併設されている全寮制の「オートレース選手養成所」です。この養成所に入所するための試験は毎年狭き門となっており、運動神経や反射神経だけでなく、強い精神力が試されます。
見事試験を突破して入所すると、そこから9ヶ月間の過酷な訓練生活が始まります。訓練生たちは、競走車の高度な走行技術や危険を回避するためのコーナリングはもちろん、緻密なエンジン整備のノウハウ、関係法規、一般教養、そして過酷なメンタルトレーニングに至るまで、プロとしての基礎を叩き込まれます。
なお、候補生は入所期間中の諸経費の一部として120万円を負担する必要があり、入所時に30万円を納付し、選手登録後に90万円を一括または分割納付する仕組みとなっています。経済的な自己負担を伴いつつも、命を預けるプロとしての誇りと技術を身につけるため、候補生たちは連日泥まみれになりながら訓練に励んでいます。

増加する女性オートレース選手(女子レーサー)の活躍と歴史
かつてのダート競走時代にも女性レーサーが存在した歴史はありますが、現在の近代オートレースにおける女子選手の歴史は、第31期生以降の復活劇から本格的に再始動しました。2025年12月31日時点における全登録選手数は415名であり、そのうち女子選手は20名ほどが第一線で活躍しています。
男子選手と全く同じハンデや条件の中で、スピードとテクニックを競い合う女子レーサーたちの姿は、ファンの間でも非常に高い人気を誇っています。華やかなルックスやメディア露出だけでなく、男子トップレーサーを相手に一歩も引かないインコースへの突っ込みや、見事な整備力で勝利をもぎ取る姿は、多くの次世代ファンやアスリート志望者に勇気を与えています。
現役オートレース選手同士の結婚・出産とライフステージの変化
厳しい勝負の世界に身を置くオートレース選手たちですが、近年ではプライベートにおける明るいニュースやライフステージの大きな変化も注目を集めています。特に、同期や他地区のトップ選手同士の結婚は、ファンや関係者の間で大きな話題となりました。
公式発表資料によると、2020年2月5日には金田悠伽選手(浜松所属・33期)が、同期の吉松優輝選手(飯塚所属)と同年2月2日に結婚したことをオフィシャルブログで発表しました。これは、女子オートレース選手が復活した31期以降、現役女子オートレース選手・現役オートレース選手同士の結婚発表として初の快挙となりました。
さらに、同年2020年11月17日には、吉川麻季選手(飯塚所属・33期)がトップレーサーとして知られる鈴木圭一郎選手(浜松所属・32期)と前日の11月16日に婚姻届を提出して結婚したことが発表され、現役選手同士の結婚として2組目のカップル誕生となりました。過酷な訓練や遠征の多い競技生活を支え合うパートナーとして、お互いにプロの高みを目指しながら家庭を築く姿は、現代のスポーツ界における新しいアスリート像を示しています。

【オートレース選手】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:オートレース選手の定年や引退年齢は決まっていますか?
A1:明確な定年年齢の規定は設けられていませんが、身体能力や反射神経、視力の維持が不可欠なスポーツであるため、多くの選手は50代から60代頃にかけて第一線を退き、自主的に引退を選択するケースが一般的です。
Q2:オートレース選手になるために学歴や事前のバイク経験は必要ですか?
A2:受験資格に特別な学歴の制限はありません。また、必ずしもモータースポーツの豊富な経験が必須というわけではなく、未経験から養成所の厳しい訓練を経てトップレーサーに上り詰めた選手も多数存在します。
Q3:一般の人がオートレース選手のレースを観戦するにはどうすればいいですか?
A3:全国にあるオートレース場(川口、伊勢崎、浜松、山陽、飯塚など)の本場開催に足を運ぶか、公式のネット投票サイトを利用することで、全国どこからでもリアルタイムで観戦や車券購入を楽しむことができます。
まとめ:国家資格プロスポーツの未来と実力主義の深層
オートレース選手という職業は、単なる公営競技の担い手にとどまらず、経済産業省管轄の国家資格を背負い、自らの肉体と知性を武器に時速150キロの極限空間を切り開く唯一無二のプロスポーツです。
全寮制養成所での過酷な試練を乗り越え、S級という頂点を目指して日々の整備やレースに没頭する姿、さらには女性レーサーの台頭や選手同士の温かな結婚・パートナーシップのニュースなど、その素顔には数値化できない人間ドラマが詰まっています。2026年現在も進化を続けるオートレース界の今後の動向から、ますます目が離せません。 (出典: オート レース 選手(Yahoo!ニュース))